はる
秋めいてきたとは言え、夏との混在の日々です。コスモスは秋の代表選手ですが、小生にとっては広々とした畑、田んぼで遊んだ思い出でいっぱいです。写真の場所は、阪急神戸線武庫川鉄橋の北側で東岸の河川敷です。阪神淡路大震災で出た残土廃棄物を、この地に長年積んでいました。地元民の熱意で、これが美しい景色に生まれ変わりました。
【表六句】
No1,発句(秋)コスモスは賑やかなれど一人ずつ 葉有露
No2,脇 (秋) 大波小波秋風の過ぐ 龍峰
No3,第三(秋の月)月影に美しきものうつろひて 九分九厘
No4,四句目(雑)久しき友に便りしたため 葉有露
No5,五句目 (夏) 遠き日のキャンプファイアに放歌せり 龍峰
No6,折端(夏) 日の出にかけてホトトギス啼く 九分九厘
【裏十二句】
No7,折立(雑) 五回目で天下にぎりし自民鳥 葉有露
No8,二句目 (雑) がまで小躍り白うさぎ達 龍峰
No9,三句目(雑・恋)惚れてはれて八雲に立つ八上姫 九分九厘
No10,四句目(雑・恋)逢瀬はいつも宍道湖あたり 葉有露
No11,五句目 (雑) 限りなくエメラルドグリーンエーゲ海 龍峰
No12,六句目(雑) 旅土産の思い出トルコ石 九分九厘
エーゲ海周航の時トルコにも上陸、土産(つと)にトルコ石を求めた。セルリアンブルーに近いかな。
No13,月の定座(冬)高きより我をさとすか冬の月 葉有露
No14,八句目 (冬) ゴン太時代の古日記読む 龍峰
No15,九句目(雑) 喜びも悲しみも順不同なる 九分九厘
No16,十句目(雑)先生方も明日は我が身か 葉有露
衆議院解散 !!
No17,花の定座 (春) 鉢巻とメガホンの背に花の散る 龍峰
No18,折端(春) 切れ凧舞ひつ君子豹変 九分九厘
君子豹変は、正しくは「肯定的」に捉えるものと辞書にあります。
【名残の表十二句】膝送りを変えています。
No19,折立 (春)石破ショック春疾風吹く霞が関 葉有露
No20,二句目 (雑) 歯牙にもかけぬと虎ノ門 九分九厘
No21,三句目 (雑) 惜しまれて岡田采配消へゆかん 龍峰
同じ虎でもこちらは。
No22,四句目(雑)礼と義により人を遇すべし 葉有露
No23,五句目(雑)心だけでなく情を生きること 九分九厘
「心」が内面の状態をあらわすとしたら、「情(なさけ、こころ)」はその人自身のありようを意味するという。
No24,六句目 (冬·恋) 冬暁の涙袖に鐘の音 龍峰
「暁の涙や空にたぐふらむ袖に落ちくる鐘の音かな」
訳 「明け方に流す別れの涙が、空で一緒になっているのだろうか。袖の上に、涙と一緒に落ちてくる鐘の音よ」
情熱き別れである。
No25,七句目(雑恋)シンデレラあわて乗り込む夜行バス 葉有露
No26,八句目(雑) 赤い靴はいてた女の子 九分九厘
No27,九句目 (雑) 手を振れば汽笛がむせぶ波浮港 龍峰
野口雨情は生涯2000以上の詩を書いたと。「赤い靴」「雨降りお月さん」「船頭小唄」「波浮の港」等など。
No28,十句目 (雑)あんこ椿で演歌の舞台 葉有露
No29,(秋の月) 居待月三日おくれの便りをよこし 九分九厘
十五夜から三日目の居待月を詠みました。
No30,折端 (秋) 明石の浦の紅葉鯛市 龍峰
「居待月」の枕詞は「明石」
【名残の裏六句】
No31,折立(秋)御馳走に新酒求め頬ゆるむ 葉有露
No32,二句目(雑)俳友偲びつ青釉の猪口 九分九厘
No33,三句目 (雑) 手触り良きぬくみ溢るる益子焼 龍峰
手元にある益子焼の器も淡い緑色のぬくみある物である。
No34,四句目 (雑)渡来陶工故郷忘れじ 葉有露
司馬遼太郎の本に「故郷忘じがたく候」があります。
No35,花の定座[春) 土に生き花にならはん花のこと 九分九厘
郷に入れば郷に従って、異郷の土をねって生きて下さい。東西を問わず、歴史上労働力として民をごっそり移住させた例は多いですね。「バビロン捕囚」然り。
No36,挙句 (春) 川面舞ひ行くてふてふの群 龍峰