歌仙山手会

 ブログで互いに歌仙を詠み継ぎ、巻を終えたあと酒食を共にして反省会を楽しんでいます。

山手歌仙会(その三十三)柿落葉の巻

柿落葉

 今日は久しぶりの秋らしい快晴となっています。風も心地よいです。山手歌仙会も、自然の素晴らしさを満喫していきたいと思います。

 

 【初折り表六句】

No1,発句(秋) 紐解けば古書のしおりに柿落葉      九分九厘

 

No2,脇(秋・月)月下の書斎時戻しつつ           葉有露

 

No3,第三 (秋)  窓ぎわに鈴虫の音をふと聞きて         龍峰

 

No4,四句目(雑) もの思ひ忘れてねむるころ        九分九厘

 

No5,五句目(夏)蚊帳の中仰ぎ見るは新宇宙         葉有露

 

No6,折端 (夏) 子燕醒したり夢うつつ                        龍峰

 

【初折り裏十二句】

No7,折立(雑) 生かされて生きて白紙の黙示録      九分九厘

 

No8,二句目(雑) 啓示いつ預言者だれ           葉有露

 

No9,三句目   (雑)  新大陸に手を挙ぐる漢現わる          龍峰

 

No10,四句目(雑) 弾薬尽き山河荒れしまま        九分九厘  

 

No11,五句目(雑・恋)虞美人は習氏なだめて平和賞      葉有露

 

No12,六句目  (雑·恋)    アグネスチャンは恋の占い師        龍峰

   アグネスチャンの「ひなげしの花」の歌詞より。

 

No13,七句目(冬・月)冬の月タロットカードは悪魔なり    九分九厘

    

No14,八句目(冬) 筮竹の響く冬の夜そぞろ          葉有露

 

No15,九句目 (雑) 明求め扉叩けくウィーンの片隅        龍峰

おのが先々、運命と言えばやはりあの人か

 

No16,十句目(雑)フロイデは楽園の乙女に         九分九厘

 シラーの詩より

 

No17,十一句目(春の花)木瓜の花愛嬌えくぼに足を止め    葉有露

 

No18,折端 (春) ツクシの土手に突っ込む若葉マーク          龍峰

 

  【名残の表十二句】膝送りが変ります。

No19、折立(春) 天仰ぎ欠伸してゐる葱坊主        九分九厘

 

No20,二句目   (雑)     風雲の世をくぐりし古刹           龍峰

 

No21,三句目(雑)修善寺の源しのび宿求む          葉有露

 今週、機会があり伊豆半島西海岸に行ってきました。三島―修善寺ー

土肥―戸田―伊豆長岡のルートで、孫の車で楽しみました。老いの名残です。

 

No22,四句目(雑) 漱石大患「則天去私」         九分九厘

 

No23,五句目   (夏·恋)     腕組んでテームズ河畔夏の霧        龍峰

 

No24,六句目(夏・恋)数寄屋橋永遠の美女みまかりぬ     葉有露

 

No25,七句目(雑) 長き世の夢を夢ぞと知る君や      九分九厘

 明恵の和歌を拝借。続く七七は「さめて迷へる人を助けむ」となります。

 

No26,八句目 (雑) 目覚めて聞かずや我が調べを          龍峰

作曲 フォスター  訳詞  津川圭一   「夢路より」  歌詞の一部を頂く

 

No27,九句目(雑)渡世人現世と来世股に掛け         葉有露

 

No28,十句目(雑)死んでしまえば仏様だよ         九分九厘

 清水次郎長の言

 

No29,十一句目 (秋·月) 月煌々稜線黒き真夜の富士        龍峰

 

No30.折立〈秋〉  半袖姿異人の秋は                   葉有露

 新幹線の中、観光地は外人旅行者で溢れていました。円高に振れると様相は反転方向でしょう。

 

【名残の裏六句】

No31,折立(秋) 高天肥馬お札舞ひ散るインバウンド    九分九厘

 

No32,二句目 (雑) 円安光あれば陰あり                                                                       龍峰

 

No33,三句目                        葉有露

No34,四句目                       九分九厘

No35,花の定座                        龍峰

No36,挙句                         葉有露

 

                              以上

 

 

歌仙山手会(その三十二) 白萩の巻

                                                白萩

 

 夕方の散歩道で白萩に出会い、見とれていると、かすかに秋の気配を感じさせる山風が吹いてきた。

 

No1,発句(秋) 白萩や瀬音をのせて六甲(むこ)の風     龍峰

 

No2,脇(秋)  餌付けされし猪の親子          九分九厘

 

No3,第三(秋)夕空を蜻蛉連隊飛び去りて          葉有露

 

No4,四句目    (雑)  北の大地に大河のうねり           龍峰

 

No5,五句目(冬・月) 曳き綱の影を凍らせ冬の月     九分九厘   

 

No6,折端 (冬) 炬燵にもぐり雪見酒はじむ         葉有露

 

【初折り裏の十二句】

No7,折立 (雑)  み吉野の遠法螺貝の一夜泊          龍峰

 

No8,二句目(雑) 役小角の呪術動きて                  九分九厘

 

No9三句目(雑・恋)白拍子京で育ちて鎌倉へ        葉有露

 

No10,四句目(雑・恋) 波音聞きつ電車で告白         龍峰

 

No11,五句目(雑) 長谷観音の涙か雨の由比ヶ浜      九分九厘

 

No12,六句目(雑) 逗子開成おのこ悼む            葉有露

 1910年1月23日逗子開成中学校11名小学校1名、鎌倉七里ケ浜沖にて

遭難す

 

No13,七句目 (冬·月) 白銀の富士の嶺照らす寒の月       龍峰

「真白き富士の根」より富士を頂く

 

No14,八句目(雑) 白きひたい美なる増女         九分九厘

 能面の増女(ぞうおんな)と前句の富士のイメージが重なった

 

No15,九句目(雑) 微笑むか自由の女神トランプへ      葉有露

 

No16,十句目   (雑) 建国の魂思い起こせよ                               龍峰

 

No17,十一句目(春・花)あまてらす岩の扉に花そなふ    九分九厘

 

No18,折端 (春)五代目神武畝傍に青帝           葉有露

 

【名残の表十二句】膝送りを変えます

No19,折立 (春) 今昔の我が春頼まむ八咫烏           龍峰

古の勝利も今の世の蹴球の勝利も祈るは同じ。

 

No20,二句目(雑)高句麗もまたこの烏より           葉有露

 朱蒙がこの国を率いた時の旗にはこの烏が描かれていました。

 

No21,三句目(雑)勝鬨の天より降りし時ありて       九分九厘

 

No22,四句目 (雑) オロシア懲らす明治の奇蹟         龍峰

日本海海戦が決め手とか。

 

No23,五句目(夏-恋)広瀬中佐アリアズナ嬢と夏の恋       葉有露

 広瀬中佐は明治23年ロシアに留学し、その後駐在武官を務めています。

 

No24,六句目(雑・恋)貝のなか貴婦人の真珠なる     九分九厘

 

No25,七句目 (雑) 神島を遠目にイカダ夕日浴ぶ       龍峰  

       

No26,八句目(雑) 昔流刑地今青春の            葉有露

 

No27,九句目(雑) 暗闇のデビル恐ろしタスマニア     九分九厘

 かつては大英帝国の流刑地であったタスマニアは、固有種動物の宝庫である。

 

No28,十句目   (雑)  椰子の木陰に南十字星           龍峰

周りの大人が唄っていたのを、思い出して拝借。

 

No29,十一句目(秋・月)麗しは月の輝く南の国        葉有露

 バンコクの夜、月はいつも真上に輝いていました。

 

No30,折端(秋〉  白象に王様天高し           九分九厘

 

【名残裏六句】 

No31,折立 (秋)  外堀は埋まり難波に秋の風             龍峰

タイと言えばやはり山田長政、波乱万丈の生涯だった。その頃日本は冬の陣が終わるも、世の中は未だ不穏なものがあった。

 

No32,二句目(雑)副都心とは太閤いかに           葉有露

 

No33,三句目(雑)他界より眺めてあらば些事なりし     九分九厘

 

No34,四句目 (春) 夢にしびれる世を山笑ふ          龍峰

 

No35花の定座(春・花)醍醐にも劣らぬ花見夙川の      葉有露

 

No36,挙句(春)  春たけなわの辻音楽師         九分九厘

 

                         以上

 

 

歌仙山手会(その三十一) 閑かさやの巻

No.約五十年来の旧友と夫婦二組で、東北旅行を楽しんことがあります。



【初折り表六句】

No1,発句 (夏)遥かなり旧友との旅蝉の声      葉有露

 新潟経由、東北三山、蔵王、立石寺、最上川、酒田と回りました。

 

No2,脇 (夏) 北の遠尾根光る雪渓                               龍峰

 

No3,第三〈秋)大曲花火あかりに包まれて      九分九厘

 

No4,四句目(秋)稲穂らもそろひて眺めおり      葉有露

 

No5,五句目 (秋の月) 山の端に今宵遠慮の望の月      龍峰

 

No6,折端〈秋) 旋回せつなに秋蜻蛉       九分九厘

 

【初折り裏十二句】

No7,折立   (秋)  秋風に誘われ旅に知らぬ地へ     葉有露

 

No8,二句目   (雜) 櫓のむせぶ夕岸の灯めざす      龍峰

 

No9,三句目(雑) 夕あかね縹となりて一番星     九分九厘

 

No10,四句目(雑・恋)二人の歩み影を引きつつ     葉有露

 

No11,五句目 (雜·恋) 手つなぎ行く杮落としのコンサート 龍峰

 

No12,六句目(雑) 故郷に帰れと父なげく      九分九厘

 「椿姫」第2幕の「プロヴァンスの海と陸」より

 

No13,七句目(冬の月)冬月光わが身の思ひのぞきおり  葉有露

 

No14,八句目 (冬) 気晴らしの旅はマロースのロシア   龍峰

マロースは露語で厳寒、冬将軍

 

No15,九句目(雑)   智度論のもやのはれたる時なりて  九分九厘

 

No16,十句目(雑) 般若湯のみて暫しくつろぐ      葉有露

 

No17,十一句目 (春·花) 半眼のクチャの銅像花包む        龍峰

クチャのキジル千仏洞の前におはす、この地生まれの鳩摩羅什の銅像に、昔手を合わせた。

 

No18,折端(春) 錫杖の音遠し風光る        九分九厘

 

【名残表十二句】膝送りが変ります。

No19,折立(春)二人連れ菜の花畑白く分け       葉有露

 

No20,二句目(雑)この世あそびてわれは過ぎなむ   九分九厘

 

No21,三句目   (雜) 羨ましは旅から旅の蕉翁よ       龍峰

 

No22,四句目〈雑) かのないを知り詠む句はいかに   葉有露

 「ない」とは古語で地震の意味。本来は旧かなづかいです。方丈記(1212 年)に

この言葉が出ているとのことです。

 

No23,五句目(雑) 杖びとつどひ語部のうた刻む    九分九厘

 

No24,六句目 (夏·恋) 日傘に肩寄せ碑の悲恋読む         龍峰

 

No25,七句目 〈雑・恋〉洋一の忘れな草をいつまで    葉有露

 

No26,八句目(雑) 白髪にことのは散り敷きて     九分九厘

 

No27,九句目   (雜) 古里に戻れば既に太郎なり         龍峰

 

No28,十句目〈雑)我が家は消えて高層マンション    葉有露

 

No29,十一句目(秋・月)九階のわが眼の位置に月泛ぶ   九分九厘

 

No30,折端 (秋) 夜露に光る出船のマスト          龍峰

 

 

【名残裏六句】

No31,折端〈秋〉島めぐり紅葉求めて宮島へ       葉有露

 

No32,二句目(雑)大輪田の泊に宋の船         九分九厘

 

No33,三句目 (雜) 栄華の跡残るは名のみか六波羅      龍峰

 

No34,四句目 ( 春) 古都時流れ春人つどふ        葉有露

 

No35,花の定座(春) 洛中洛外絵屏風花が咲く      九分九厘

 

No36,挙句 (春)  海原越えて飛び交ふつばめ          龍峰

 

                           以上

歌仙山手会(その三十)雨蛙の巻

     

あまがえる(銅版画、九分九厘作)

 梅雨と颱風が重なり、日の照らない日が続いています。TVはほとんどサッカーの放映ばかりです。対ブラジル戦はまことに惜しかった。日本では次のワールルドカップに期待する声援が大きいが、隣の韓国では司令官は能無しと大統領が発言。お国柄が違うようですが、「たかがサッカーという勿れ」ということでしょうね。(九分九厘)

 

No1,発句(夏) 我の手に黙を決めこむ雨蛙      九分九厘

No2,脇 (夏)  元は権太なお玉杓子が         葉有露

 

No3,第三 (雜) 幼よりの「ひるの憩い」に唱歌聞きて      龍峰

 

No4,四句目(雑)すやすや眠る矍鑠の老        九分九厘

 

No5,五句目(秋の月)寝顔をば覗きつ月は去りにけり   葉有露

 

No6,折端    (秋)   朝露に門扉の光初む                 龍峰

 

【初折裏十二句】

No7,折立(秋) 死の位置の影みあたらぬ生身魂     九分九厘

 

No8,二句目(雑)心境同じ天命もあり          葉有露

 

No9,三句目   (雜·恋) 二人の出逢いも浮き世ごともみな偶然  龍峰

 

No10,四句目(雑) されど「愛こそはすべて」と唄ふ  九分九厘

 ビートルの All you need is Love  より

 

No11,五句目(雑)修行せよ待っててこいさん男行く    葉有露

  藤島恒夫「月の法善寺」より

 

No12,六句目 (雜) 夢はいつ開くや宴あと         龍峰

万博のあとが気になります。

 

No13,七句目(冬・月)月冴ゆる有為のおくやま 今日越へて  九分九厘

 

No14,八句目(冬) おでんつつきつ友と語る夜        葉有露

 

No15,九句目   (雜) 帝国主義再来の世をいかに生きるか     龍峰

 

No16,十句目(春)  AIに訊いてみたらと亀鳴きて       九分九厘

 

No17,十一句目(春の花)リラの香に心変わりで道を変え   葉有露

 

No18,折端   (春) 北の大地に春探す旅            龍峰

 

【名残の表十二句】 膝送りを変えています。

No19,折立(春) 解氷のグリーンランド争奪戦      九分九厘

 

No20,二句目   (雜) 周作の技を一考せよと                         龍峰

 島の上の北極星は北辰一刀流を思い浮かべるかも知れない。

 

No21,三句目(雑)剣聖は竜馬栄一弟子として        葉有露

 

No22,四句目(雑)多士済々三徴七辟           九分九厘

 

No23,五句目 (雜) 勝ち上がるサッカーチームのストライカー  龍峰

 

No24,六句目(雑)矢を射る如く攻め立てるよ         葉有露

 

No25,七句目(夏・恋)流鏑馬の凛々しき武士に一目惚れ   九分九厘

 

No26,八句目 (夏·恋) 日傘に肩寄せ合ふ「雪の下」            龍峰

流鏑馬は鶴岡八幡宮でも行われる。

 

No27,九句目(雑) かの地こそ節子の終の棲家にて     葉有露

  原節子のことです。

 

No28 ,十句目 (雑)  ライカで撮りたしモノクロの美                      九分九厘

 

No29,十一句目 ( 秋·月 )   摩耶で愛づる今宵明月生駒の上              龍峰

 

No30,折端  (秋)山越えの野に鹿の呼ぶ声             葉有露

 

【名残の裏六句】

No31,折端(秋)大坂道古都を護りて冬構         九分九厘

 生駒山と二上山の境目に谷底平野があるが、ここを通る道を大坂道(ジ)(或いは竹内街道)という。奈良盆地を敵や疫病から護る重要な場所であるが、同時に大阪湾に至る攻めの場所でもあった。この場所から真西大阪湾に向かって多くの天皇陵墓が建てられた。

 

No32,二句目 (雜) 今昔備えに憂いはなし               龍峰

 

No33,三句目(雑) 天皇の自ら示す国造り           葉有露

 

No34,四句目〈雑) 神の棲む遊星なりし地球         九分九厘

 

No35,花の定座    (春) 戦さ絶えぬ世の和の特使桜花                 龍峰

 

No36,挙句 (春) 穏やかに集うポトマック          n葉有露

                        以上

歌仙山手会(その二十九)孔雀仙人掌の巻 

 

例年このサボテンは年に1,2個しか花は咲かないのに、今年は一度に5,6個も咲いた。世紀末でもないのに。さてはこちらの足下を見たのかもしれない。

 

【初折り表六句」

No1,発句(夏) 孔雀仙人掌老いの小庭を弾きけり     龍峰

 

No2,脇(夏) 天女舞ひ降り羽衣涼し         九分九厘

 

No3,第三(夏) 去り行ける遊行僧の影わずかにて    葉有露

 

No4,四句目   (雜) 孤雲の西へ流れ日暮るる         龍峰

 

No5,五句目(秋の月)天極は移りつつあり無月なれ  九分九厘

 

No.6,六句目(秋) 行方定めぬ秋の野の旅       葉有露

 

【初折り裏十二句】

No7,折立 (秋)  名物に外れ物なし馬肥ゆる        龍峰

 

No8,二句目(雑) 税霧消のふるさと納税        九分九厘

 今や納税総額は年1.3兆円。手続きから返品に到る間の経費率は50%に近いという。専門サイトや流通業者等にとっては大きな市場である。

 

No9,三句目(雑)才蔵は主君の難事助けたり      葉有露

   ご存じ真田十勇士の一人霧隠才蔵のことです。

 

No10,四句目 (恋·雜) 束の間の逢瀬千曲のほとり       龍峰

上田城のそばには千曲川が流れる。

 

No11,五句目(雑・恋)濁り酒濁れる飲みて忘る恋   九分九厘

 上五・中七は藤村の「千曲川旅情の歌」を引用しました。

 

No12,六句目(雑)煙りたなびく五木の浅間       葉有露

 五木ひろしのヒット曲「千曲川」からの拝借物です。

 

No13,七句目 (冬の月) 冬三日月劇場後に口笛吹き    龍峰

今月発売予定の五木寛之の「口笛吹きながら夜を行く」より「口笛吹き」拝借

 

No14,八句目(雑)影は靄の河岸に溶け込みて      九分九厘

 

No15,九句目(雑)第三の男ウイーンに現れる      葉有露

 

No16,十句目 (雜) 今も変わらぬ「会議は踊る」     龍峰

 

No17,十一句目(花の定座)鹿鳴の文明開化花絵巻    九分九厘

 

No18,折端 (春)菜の花忌「坂の上」にて子規と会ひ   葉有露

 

【名残表十二句】膝送りを変えます。

No19,折立 (春) 春好天欺く策に「波高し」         龍峰

 

No20二句目(雑) 東大寺見ゆ三笠山背に       葉有露

 

No21,三句目(雑)十字の星光るサクラダ・ファミリア  九分九厘

 

No22,四句目   (雜) 思い頂きへ百年越える           龍峰

 

No23,五句目(夏) 地中海太陽がいっぱい夏来る    葉有露

 

No24,六句目 (雑)  傲慢を罰するはポセイドン          九分九厘

 

No25,七句目 (雜·恋) 手つなぎ見る青きドーム越しイアの夕日 龍峰

 

No26,八句目 (雑・恋)メルクーリ唄う日曜はダメよ  葉有露

 

No27,九句目(雑) 愛する子供たちは勇者となりて  九分九厘

 映画「Never on Sunday」の主題歌の歌詞より。

 

No28,十句目 (雜) 暮なずむ丘の灯を見返り            龍峰

 

No.29,十一句目(秋の月)旅終へて終の棲家で月眺めおり 葉有露

 

No30,折端(秋)葡萄の醸す香にまどろみぬ      九分九厘 

 

【名残裏六句】

No31,折立    (秋) ライン下りグラス手に眺む秋の古城        龍峰

 

No32,二句目(雑)若き日の悩み忘れ行く日々      葉有露

 

No33,三句目(雑)シリウスの紅き時代に生まれきて  九分九厘

 

No34,四句目   (雜) 今や人気の勝山の里              龍峰

その頃我が大地にはかの恐竜とやらが闊歩していたとか。

 

No35,花の定座(春)庭櫻良き風情とて声かける     葉有露

 

No36,挙句(春)さみどりの山まゆ白きなら      九分九厘

 

                             以上    

 

 

 

歌仙山手会(その二十八)胡蝶蘭の巻

 

  2年前、祝に娘が頂いた鉢を小生が面倒を見ることになりました。

 

ぜい【初折表六句】

No1,発(夏)育て来し胡蝶蘭咲く見入りけり    葉有露

 

No2,脇   (夏) 薫風の清き香運ぶ夕                      龍峰

 

No3,第三(雑)野の色に心とけゆく人ありて   九分九厘

 

No4,四句目(雑)白山の峰雲流れ行き       葉有露

 

No5,五句目 (秋の月) 月明かりに瀬音聞きつつ露天の湯   龍峰

 

No6,折端(秋) 猪の来るやも知れぬ丑三つ時   九分九厘

 

【初折裏十二句】

No7,折立(秋〕秋短か二季となりても酒求め      葉有露

 

No8,二句目   (雜) 威勢よき声飛ぶ小料理屋       龍峰 

 

No9,三句目(雑)  風来の研師ありてしいまいずこ   九分九厘

 

No10,四句目(雑)江戸の源内異才の人で        葉有露  

 戯作者としての号はは風来山人を用いた。

 

No11,五句目 (恋·雜) 吉原の愛憎劇も巷文化                  龍峰

 源内も吉原にゆかりの人

 

No12,六句目(恋・雑)恋風のじれったさ物見窓      九分九厘

 

No13,七句目(冬)知恵を出し学極めんと雪明り       葉有露

   「蛍雪の功」の「孫康映雪、車胤聚蛍。」より一部拝借しました。

 

No14,八句目   (冬の月) 凍て月に振る竹刀青光        龍峰

 

No15,九句目(雑) 見送り三振野球にあらずとて     九分九厘

 

No16,十句目(雑)打つ気放つ気トランプ兄貴        葉有露

 

No17,十一句目   (春の花) アザーンの聞こゆる庭に花の散る   龍峰

 

No18,折端(春)切れ凧の着地点わからず         九分九厘

 

【名残の表十二句】膝送りを変えています。

No19,折立(春)春風に突風まじる祭事           葉有露

 

No20,二句目(雑)妄想のすれ違い計量のすべなし       九分九厘 

 

No21,三句目   (雜) 周り去り今や頼るはAIのみ          龍峰

 

No22,四句目(雑)その倫理観問題なきや          葉有露

 

No23,五句目(雑・恋)誰からか想ひならひぬ恋やこれ  九分九厘

 

No24,六句目   (雑·恋) 業平橋で手つなぐ二人        龍峰

 前句には伊勢物語の雰囲気を感じた。

 

No25,七句目 (雑)藻塩焼く風は京へと向かひたり 葉有露

 業平橋の東側に「業平町」があり、業平の別荘の跡地と言われています。

また、さらに東に進むと「親王塚町」があり、業平の父「阿保親王」(其の

父は平城天皇)御陵があります。

 

No26,八句目(夏)淡路名物たまねぎと鱧         九分九厘

 淡路女と連れ合いとなり、玉葱の鱧鍋と漆大皿の鯛そうめんが大好物となった。

 

No27,九句目   (夏) 太棹と太夫盛り上ぐ梅雨の中        龍峰

 

No28,十句目(雑)うなる声行く海峡越えて         葉有露

 

No29,十一句目(秋の月)潮騒の不安の中に月のぼる    九分九厘

 

No30,折端   (秋) 秋韻醸す神島拝む                                                               龍峰

 

【名残裏六句】

No31,折立(秋)若き日の秋のビイオロン胸ゆすり      葉有露

 ベルレーヌの「落葉」より一部拝借しました。

 

No32,二句目(雑)我蘇生めくるめく青春         九分九厘

 

No33,三句目   (雑) 老いても山描けば山の想い戻る        龍峰

 

No34,四句目(雑)万物流転明日を行く我          葉有露

 

No35,花の定座(春)天と地のいずれに散っても花は花   九分九厘

 

No36,挙句   (春) 胡蝶の舞ふは夢の架け橋          龍峰

 

                         以上

 

 

歌仙山手会(その二十七)四月馬鹿の巻

      

京都高瀬川

  中東問題でとても不安な世になってきた。今朝飛び込んできたニュースでは、トランプは2週間以内に目的を果たすので戦争から撤退するが、後の始末は湾岸諸国や欧州などに任せるという。自ら勝手に戦争を起こしておいて無責任極まるもの。このニュースもまた変るものかも知れない。しかし、世界の市場株価は急騰している。

 

No1,発句(春) 停戦か疑心暗鬼の四月馬鹿    九分九厘

 

No2,脇 (春)  復活祭上智彼に届かず      葉有露

 

No3,第三 (春)   水温む鳥の親子の連れ立ちて       龍峰

復活祭と言えば卵。

 

No4,四句目(雑) 川の流れに身をまかせしと   九分九厘

 

No5,五句目(秋の月)月明かり行く道長く細けれど  葉有露

 

No6,折端 (秋) 秋暁迎へ身に息吹込め                       龍峰

 

【初折り裏十二句】

No7.折立(秋)秋風にのりて詩吟は山越へる    九分九厘

 

No8,二句目(雑)人は石垣風林火山         葉有露

 

No9,三句目   (雜) 孫子の法古今東西生き続き         龍峰

 

No10,四句目(雑・恋) 褒姒の一笑紅顔禍水      九分九厘

 

No11,五句目(雑・恋)アベマリアバーグマンなほ愛されて 葉有露

 

No12,六句目   (雜)  サンタモニカの夕日愛でをり       龍峰

 

No13,七句目(夏・月)アルテミス女神の背中あばく夏  九分九厘

 アルテミスはギリシャ神話の月の女神

 

No14,八句目(夏)焼酎片手に見入り居り         葉有露

 

No15,九句目   (雜) 秘めたるもの押さえたなびびく桜島   龍峰

 

No16,十句目(雑) 維摩一黙不言実行         九分九厘

 

No17,十一句目(春の花)花海棠黙してなほも語り居り   葉有露

 

No18,折端   (春) たまには呑んで騒ぐ夜半の春          龍峰

 

【名残表十二句】膝送りが変ります。

No19,折立(春) 他界より眺めてあらば花の宴     九分九厘

 

No20,二句目   (雜) バイロンの情熱忘れまじ        龍峰

「花の宴」と云えば荒城の月、そして土井晩翠、英文学者にして詩人。彼はバイロンを慕ったとか。

 

No21,三句目(雑)玉杯にハイネ徘徊学びの日       葉有露

 

No22,四句目(雑)益荒男の鋭利な筆立ちて       九分九厘

 

No23,五句目   (冬)   凍りつくペンの剣より強き世の      龍峰

 

No24,六句目(冬)指導者の口北風吹かせ         葉有露

 

No25,七句目(雑)ティラノスのイメージにティラノサウルス 九分九厘

 

No26,八句目    (恋·雜) 二人の初デートは勝山         龍峰

 

No27,九句目 〈雑.恋) スイートホーム今博物館賑やかで  葉有露

 

No28,十句目 (雑) いいじゃないかとにぎやかサタデー  九分九厘

 

No29,十一句目 (秋の月) 友垣の語り尽くせば寝待月       龍峰

 

No30,折端(秋)「秋立ちぬ」人皆詩人顔         葉有露

 

【名残裏六句】

No31,折立(秋)無とならむ不立文字の秋の暮      九分九厘

 

No32,二句目  (雜)   風まかせのラマンチャの風車              龍峰

 

No33, 三句目(雑)正義なり「見果てぬ夢」ひたる日々     葉有露

 ご存じ「ラ・マンチャの男」の劇中歌よ

 

No34,四句目(雑)未然より未亡たる悲しさ        九分九厘

 

No35,花の定座    (春) 花の吉野の静の舞跡             龍峰

 

No36,挙句 (春)鎌倉殿に花散るを見せ          葉有露