歌仙山手会

 ブログで互いに歌仙を詠み継ぎ、巻を終えたあと酒食を共にして反省会を楽しんでいます。

歌仙山手会(其の五) 薫風の巻

                グラバー邸から望む長崎の街

陽気に誘われて長崎に出かけた。

長崎と言えば、ご存じんの通り、これまでの400年の間、連綿と日本と西洋及び唐との接点の場であり続けた。江戸時代は出島が唯一の西洋文化の窓口、幕末には竜馬らが暗躍し、維新後には岩崎弥太郎が黎明の産業を興し、戦時中には戦艦武蔵が建造され、そして原爆に見舞われた。明治以来、戦後も石炭は掘り続けられ、軍艦島がその象徴となった。改めてこの街は、日本の近世以来の激動の歴史の縮図を歩んできたように感じられる。街を歩けばいたるところに、その歴史に翻弄された人間ドラマの痕跡に出会う。

 

【表六句】

 No1、発句(夏) 薫風や港と坂に洋華の香        龍峰

 

No2, 脇(夏)  そぞろ歩きはサマードレス美女     葉有露

 

No3, 第三〔雑) ゴジラコング 未知なる相手現われて  九分九厘

 

No4, 四句目(雑)  目つむり唸る道後の名湯          龍峰

 

No5, 第五(秋の月)夜汽車乗る山の駅にて盆の月    葉有露

 

N06, 折端(秋)  朝寒のままに出勤せしと     九分九厘

 

【表十二句】

No7、折立  (秋)  ビザ取得急ぎアポ取る秋時雨     龍峰

 

No8, 二句目(雑) 慌ただしきは赴任時の常      葉有露

 

No9,三句目(雑.恋)仮初めのつもりが今はうつつなる   九分厘

 

No10, 四句目   (雑·恋)   「よせばいいのに一目ぼれ」とは    龍峰

 

No11, 五句目(雑) この齢心眼を得ず恥じ入りて    葉有露

 

No12, 六句目(雑) 人間万事塞翁が馬        九分九厘

 

No13,月の定座  (秋の月) 谷深き木曽路の宿に夜半の月  龍峰

   木曽馬は奈良時代から人と一緒に育てられ、農耕馬として、時に軍馬として、また神馬としてこの地に欠かせぬ存在だったと。

 

No14, 八句目 (秋)樵や武将盆唄に舞う        葉有露

  会社の保養所「木曽駒山荘」に出かける機会があり、木曽福島駅近くでの全国木曽節大会を見物しました。木曽節に合わせて踊る狩人、樵,武将らの姿を思い出します。

 

No15, 九句目〔秋)走り蕎麦ひそひそ話やめにして   九分九厘

 おなじく「木曽駒山荘」に出かけましたが、駅の近くに有名な蕎麦屋があります。

 

No16, 十句目  (雑) 封筒わたす新人候補           龍峰

    風雲怪し永田町

 

No17,(春の花)  かの安倍派花見と政治欲しいまま   葉有露

 

No18, 折端(春) 秀吉の遊興暮れかねて           九分九厘

 「日永、遅日、暮れかねる」は春の季語です。

 

【名残の表十二句】

No19, 折立  (春) 鶯の声背に急ぐ有馬道           龍峰

 

No20, 二句目(雑)円安効果異国人多々        葉有露

No21, 三句目                   九分九厘

No22, 四句目                     龍峰

No23, 五句目                    葉有露

No24,六句目                  九分九厘